新病院の候補地に青い森セントラルパーク 青森商工会議所が市に要望

古庄暢

 青森県立中央病院と青森市民病院を統合し、県と青森市が共同経営する新病院をつくる計画について、青森商工会議所は17日、青森操車場跡地の「青い森セントラルパーク」(県有地側約7・4ヘクタール)に、新病院の整備を求める要望書を市に提出した。市も20日に有識者を交えた第1回の検討会議を開き、候補地について意見を募る予定だ。

 要望書では、セントラルパークが市中心部にあることから、「利便性が高く救急搬送や通院アクセスに優れ、救命率の向上につながる」と指摘。要望書を手渡した商議所の倉橋純造会頭は、青森市が、青森駅と結ぶ青い森鉄道の新駅をセントラルパークに設置する計画の検討を進めていることから、「新駅が実現すれば、他の自治体からのアクセスも良く、県立病院としての機能も果たしやすい」と話した。

 一方、市の災害ハザードマップでは、セントラルパーク周辺は洪水時に、深いところで50センチから3メートル未満の浸水が想定されている。

 県と市は昨年8月、セントラルパークを含む市内3カ所の県有地を建設候補地にすると公表したが、この3カ所それぞれに津波や洪水などの災害リスクがあるとして、今後の検討課題としていた。

 この点について、商議所は、セントラルパークの近くを流れる堤川の上流で、駒込ダムの整備(2031年度完成予定)が進められていることを挙げ、「完成すれば、洪水のリスクの軽減が期待できる」(倉橋会頭)と説明した。

 新病院の計画をめぐっては、宮下宗一郎知事が今年9月、建物の老朽化や病院機能の強化のため、三村申吾前知事の下で決まった病院統合の方針を引き継ぐ考えを示した一方、候補地や病院規模については計画を見直す方針を表明。市もこの3カ所に加え、新たな候補地を探すことも視野に、検討会議の開催に向けて準備を進めていた。

 市は今後、検討会議で出た意見を取りまとめ、県と市で設置する予定の有識者会議で、最終的な候補地を決める。西秀記市長は「頂いた要望を受け止めつつ、どの場所が適切か検討したい」と話した。(古庄暢)…

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません