休耕田育ちホンモロコ、今年も水揚げ 京都府立海洋高生と住民が養殖
京都府宮津市の上宮津地区の休耕田で、京料理の高級食材としても知られるコイ科の淡水魚「ホンモロコ」が養殖されている。地元の住民と府立海洋高(宮津市)の生徒たちが力を合わせて毎年育てており、今シーズンも今月9日に出荷に向けた水揚げ作業に取り組んだ。
ホンモロコはもともとは琵琶湖固有の小魚で、肉や骨がやわらかく、川魚特有の臭みもほとんどない。素焼きのほか、つくだ煮や天ぷら、南蛮漬けなど様々な調理法で食べられる。
海洋高は2015年、同年春に閉校した市立旧上宮津小のプール(長さ25メートル、幅12メートル)を借り、海洋資源科栽培環境コースの生徒たちがホンモロコの養殖を始めた。
その後、地域の住民団体「上宮津地域会議」も加わり、17年からは旧上宮津小の裏手にある棚田の休耕田にも山から流れる水をはって養殖。昨年は休耕田だけで養殖し、約60キロを水揚げした。
今年も生徒たちは学校で親魚から採卵し、4~5月に推計25万個の卵を休耕田に運び入れた。孵化(ふか)した稚魚には地域住民が交代で1日2回、餌を与えた。生徒たちも月1回ほど訪れ、より良い養殖方法の研究に取り組んだ。
9日の水揚げでは2、3年生の計38人と住民らが休耕田の養殖池に入り、体長7~11センチほどに育ったホンモロコを網ですくいとった。表面の藻や泥を丁寧に取り除き、水を入れたバケツに移してプール内に設置したいけすまで次々と持ち運んだ。
今年は40~50キロの水揚げを見込んでいる。3年の福村泰平さん(18)は「養殖の方法や水揚げの仕方を改善すれば、生産量はもっと増えると思う。後輩たちにはこれからも研究を続けてほしい」と話した。
ホンモロコはきれいな水の中で1週間から10日間ほど泳がせて体内の泥や餌を抜く。そして地域住民が市内外の料理店や旅館に出荷したり、冷凍して飲食店などに販売したりする。つくだ煮や缶詰にも加工して市内の道の駅で販売する。
住民団体の有志でつくる「ホンモロコ部会」のメンバーは現在14人。部会長の寺田俊介さん(39)は「今年は特に大きく育った。地域の特産品として収益化をめざしたい」と話す。
寺田さんは大阪府枚方市出身で、17年に地域おこし協力隊として夫婦で移住した。「料理店などに出荷するだけでなく、地域の人たちも手軽に食べられるようにしたい。ホンモロコの養殖が若者の就職先となるような事業にしていきたい」と夢を膨らませている。
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