選手の亡命もあった苦難のミャンマー代表 W杯予選で日本と再戦へ
サッカーの2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で、16日に日本代表とミャンマー代表が対戦する。両国の対戦は2年半ぶりだ。
この間、ミャンマーサッカーはコロナ禍、軍事クーデターとその後の国内混乱など、苦難の時期を過ごしてきた。
サッカーはミャンマーでも人気スポーツ。代表チームは1966年と70年にアジア大会で優勝するなど、かつてはアジアの強豪だった時期もあった。しかし、最新のFIFAランキングでは158位と、日本(18位)との実力差は大きい。
今年3月に代表監督に就任したドイツ人のミハエル・ファイヒテンバイナー監督(63)は、「技術が高いタレントはいるが、インテンシティー(プレー強度)の高い試合の経験が足りない」と課題を挙げる。
代表チームの基礎となる国内1部リーグは12クラブで構成。だがタイなど他の東南アジアのリーグと比べて全体的なレベルは落ちるという。同監督は、「クラブに資金力がなく、育成システムが未整備なのが問題だ」と指摘する。
20年からのコロナ禍、21年の国軍によるクーデターはサッカー界にも暗い影を落としてきた。
独立系メディアのフロンティア・ミャンマーによると、国内リーグは2年間中断し、給料の未払いからタクシー運転手などに転身する選手もいた。クーデター後は、代表を「国軍傘下のチーム」と捉え、応援しない国民も少なくない。一部の選手は代表チームへの招集を拒否した。
クーデター直後の21年5月…