ナイター列車走らせドラファン運んだ時代も 来春廃止の名古屋港線

臼井昭仁
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 名古屋市内を走る貨物専用の通称「名古屋港線」について、JR貨物は来年4月1日付で廃止する。明治期に敷設され、近年はJR東海のレールの輸送を担っていたがトレーラーに切り替わることになり、貨物の取り扱いがなくなるため。

 両社などによると、廃止される名古屋港線は、東海道線・山王信号場中川区)と名古屋港駅(港区)を結ぶ6・2キロ。1911(明治44)年の開業で、かつては主に木材などを運んでいた。

 旧国鉄からJR発足直後の1987年度には計6万5千トンを輸送。年々減少し、2001年度に化学薬品の取り扱いを終えると、レールの輸送だけになっていた。22年度実績は3千トン。現在、貨物列車の運行は火、木、土曜日の各1往復。廃線後の跡地の利用計画は検討中という。JR貨物は9月に国土交通省に第1種鉄道事業廃止を届け出ている。

 名古屋港線はナゴヤ球場(中川区)の近くを通っている。かつてプロ野球の観戦客らを運ぶため、JR東海が1987~94年の各シーズン中に臨時駅を設け、気動車を走らせたことがある。「ナイター列車」とも呼ばれ、87年7月~10月には約16万人が利用した。(臼井昭仁)

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