昭和の帯広、精巧なジオラマでよみがえる 鉄道ファンが移設し復活
今は閉店した百貨店、高架化前の地上駅、にぎわっていた商店街――。そんな昭和50年代の北海道帯広市中心部を精巧に再現したジオラマが、帯広市の市児童会館で、今月3日から常設展示されている。ジオラマは、ひとりの鉄道ファンが情熱を傾けた音更町の私設鉄道博物館から、閉館に伴い寄贈を受けたもの。児童会館の渡辺誠克館長は「帯広の歴史を伝え、物作りの楽しさも伝えられる、すばらしい作品。大切に展示していきたい」と話す。
その私設鉄道博物館は、音更町の故・穂積規さんが運営していた「十勝晴駅」。穂積さんは、建築設計の仕事の傍ら、鉄道の「乗り歩き」や撮影、鉄道部品の収集などを楽しんできた。投稿写真が鉄道雑誌へしばしば採用され、2019年には国鉄時代の車両を借り切って臨時団体列車を走らせるなど、ファンには知られた存在だった。
そんな穂積さんが、14年に自宅敷地の建物を改装して造ったのが「十勝晴駅」。貴重な収集品や鉄道模型のジオラマを公開し、道内外から多くのファンが訪れる名物スポットだった。しかし、昨年4月、穂積さんが61歳で病気で亡くなったため閉館となった。
展示品の中でも名物になって…
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