岸田首相が失った解散カード 総裁選再選めざし、すがるシナリオ
小木雄太
岸田文雄首相が年内の衆院解散を見送ることにした。政権浮揚策の切り札だった定額減税までもが不評に終わり、事実上「解散権」を封じられた。求心力を高めるために利用してきた「解散風」を吹かせられない首相は、これからどうなるのか。
「衆院解散見送り」が報じられた9日午前、自民党本部に駆けつけた首相は党中枢を集めた「6者会合」を開いた。首相は衆院解散の報道についてこう漏らしたという。「私はそんなこと、言っていないのに……」
参加した麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長らは、いずれも各派閥の幹部クラス。首相の口ぶりには、首相の大権とされる解散カードをなくして弱体化した最高権力者の姿をさらせば、有力者たちの信頼を一気に失いかねない焦りがにじんでいるようだった。
「次のタイミングは6月解散」の声
首相が各派閥のつなぎとめに…
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