森ビルのシンクタンク「森記念財団都市戦略研究所」は9日、2023年の世界の都市総合力ランキングを発表した。1位はロンドン、2位はニューヨークで前年と変わらず、東京も8年連続で3位だった。東京は住宅の確保のしやすさが評価される一方、スタートアップ企業が少なく産業の創出に向けた環境整備が課題だとした。

　調査は主要48都市を対象に08年に始まり、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野70指標で評価。37位は大阪、42位は福岡だった。

　東京はGDP（国内総生産）の成長率の低さと法人税率の高さが要因で「経済」の分野は前年の5位から10位に下がった。指標のうち「食事の魅力」が1位だったが、賃金水準やインターネットの速度などではかる「職場の充実度」は振るわなかった。新型コロナの影響で減った「国内・国際線旅客数」の回復も、他の先進国の都市に比べて遅れた。

　「留学生数」が34位、「スタートアップ数」は9位にとどまっており、同研究所は「スタートアップの支援や人材の育成・誘致が重要だ」としている。（長橋亮文）