道の駅のコンビニ、全国初の24時間無人営業 その理由は……

黒田陸離

 広島県東広島市にある道の駅「西条 のん太の酒蔵」で1日、顔認証カメラを活用した24時間営業が始まった。道の駅と一体となった販売施設が一日中無人となるのは、全国で初めてだという。夜間も通行する運転手に、「より快適に休息を取ってもらおう」と導入した。

 顔認証カメラが設置されたのは道の駅にあるコンビニコーナー。入り口のカメラに顔を向けると自動でドアが開き、セルフレジで会計ができる。地域の名産品が並ぶ有人の直売所コーナーは午前9時~午後8時半に営業し、時間になると二つのコーナーを隔てるシャッターが開閉する。

 道の駅は昨年7月、大阪から九州までつながる国道2号沿いに開業。大型駐車場81台を含む219台の駐車場がある。これまで営業時間外はコインシャワーと自動販売機のみが利用できた。長距離を移動する運転手らの休憩場所として人気に。近くには住宅街もあるが半径2キロ圏内にコンビニはなく、住民の利用も見越した。

 カメラを設置した広島綜合警備保障(広島市安佐南区)によると、同様の顔認証カメラは事業所の社員向けなどに使われている。コンビニでは、関東地方で事前に登録した顔写真などを結びつけて導入されている。だが、不特定多数の人の顔で開くコンビニは「聞いたことがない」という。

 防犯対策として、入店したすべての人の顔の情報を顔認証カメラで記録するほか、店内の防犯カメラを1台から5台に増やした。道の駅を運営する第一ビルサービス(広島市中区)の担当者は「顔を向けることで一定の抑止効果があるのではないか」と期待する。

 コンビニコーナーでは、一般的な食品や日用品のほか、直売店に並ぶ地元の弁当やスイーツも販売する。一方、運転手らの利用を見込んで、名産の日本酒などのアルコール飲料は置かず、直売所コーナーのみで販売を続けるという。

 担当者は「西条のお酒は運転しないときに楽しんで。昼間にもぜひ来ていただきたい」と話す。(黒田陸離)…

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