広がる「孫休暇」祖父母も一緒に育児 子育ての常識、昔と違うことも

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平井恵美
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 孫の世話などに利用できる「孫休暇」の導入が広がっています。共働き世帯が増えるなか、祖父母の協力は心強い一方、孫の育児をめぐって子育て世代と祖父母世代が対立することも。お互いにどんなことに気をつけたらいいのでしょうか。

 「遠くに住む娘は周りに頼れる人も少なく、育児と仕事の両立は大変。孫休暇を取って娘家族をサポートできたし、かわいい孫にも会えた」

 福島県郡山市こども部の職員で、市内の保育所長を務める古川由香里さん(60)は今年2~8月、孫休暇を計4回取得した。沖縄の次女宅で1歳と3歳の孫の面倒をみるためだ。

 同市は今年2月、孫の世話や出産時の付き添いのために仕事を休める特別休暇の孫休暇を導入した。同市によると8月末までに計30人の職員が取得したという。

 古川さんは8月、週末などと合わせて4日間の休みを取り、早朝から仕事に出かける次女夫婦の代わりに孫の世話をした。子育ての先輩、保育のプロとして、「『完璧にやろうとしなくて大丈夫。どんと構えて』と娘に伝えられた」という。

導入の自治体、有休より「理解得やすい」

 孫休暇を導入する自治体や企業はじわじわ増えている。

 宮城県は今年1月、共働き世…

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    首藤若菜
    (立教大学教授=労働経済学)
    2023年11月9日10時11分 投稿
    【視点】

    私は、以前、山形県に住んでいました。地域の職場に労働実態調査に行くと、50代の女性たちが定年前に離職してしまう、という悩みをたびたび聞きました。離職の主な理由が、「孫育て」でした。 重要な戦力である女性たちの離職は会社にとっても痛手で

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2023年11月9日19時7分 投稿
    【視点】

    孫育て(祖父母の育児参加)だけでなく、子育てを地域で支える活動を積極的に担っているシニア世代も多い。子どもたちの遊び相手やキャリア教育、登下校の見守りなど、その内容はさまざまだ。そうした一つ一つの活動は、子どもや子育てをしている方の“気軽に

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