富岡町の帰還困難区域、11月30日に道路・墓で避難指示解除へ

西堀岳路

 福島県富岡町と国、県は6日、東京電力福島第一原発事故で、町北東部の小良ケ浜・深谷地区に残る「帰還困難区域」のうち、道路や墓地などの避難指示を今月30日に解除することで合意した。近く政府の原子力災害対策本部で最終決定する。同町で避難指示が解除されるのは4例目だが、今回は住宅は含まれず、面としての帰還困難区域は残る。

 小良ケ浜・深谷地区の帰還困難区域は町面積の6・7%を占め、219世帯計523人が住民登録している。このうち、解除されるのは県道など主要道路計約7・2キロ、墓地3カ所、集会所2カ所と浄化センターで、住民が墓参りなどで行き来できるよう国が除染を進めてきた。

 昨年末から町と国が実施した地区住民(当時240世帯)の帰還意向調査では、今年8月末までに182世帯が回答し、88世帯が帰還の意思を示した。帰還を希望しないと答えたのは46世帯、保留は48世帯だった。

 町域全体の避難指示解除を目指す町は、残る地区内の集落なども除染してもらうため、国が新たに制度化した「特定帰還居住区域」の指定を目指す。手続きに必要な地区の復興再生計画について、山本育男町長は6日の記者会見で、「年内の提出を目指したい」と述べた。(西堀岳路)…

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