鹿の不適切飼育、奈良知事「任せきりにしていた」「県も連帯責任」

有料記事

机美鈴 阪田隼人

 「キャパオーバー。えさも不十分」。農作物に被害をもたらしたとして、奈良公園の一角にある「鹿苑(ろくえん)」の特別柵内に収容している鹿の管理状況について、山下真・奈良知事は6日、不適切な環境で飼育されていたとする調査結果を発表した。飼育する一般財団法人「奈良の鹿愛護会」に「任せきりにしていた」とも述べ、県にも「連帯責任」があると認めた。

 調査は、愛護会専属の獣医師からの「虐待」通報を受け、県が同会に鹿苑の管理許可を与える立場から実施した。

 「飢え・渇き」「不快」「恐怖・抑圧」など、動物福祉の国際水準とされる「五つの自由」を指標とし、そのすべてに抵触していると指摘。骨が見えるなどやせている鹿が全体の2割いる▽えさの質や与え方に問題がある▽適正に飼育できる頭数を超過している、などとした。

 愛護会への聞き取りでは、昨…

この記事は有料記事です。残り1286文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません