名人戦敗退の2時間後、真夜中の井山裕太「年齢を重ねても自分は…」

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聞き手・北野新太
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 全てが終わった後、打ち上げの席には敗れし者の笑顔があった。第48期囲碁名人戦七番勝負は3日、芝野虎丸名人(23)が挑戦者の井山裕太王座(34)との第6局を制し、4勝2敗で決着した。3連敗後に2連勝。逆転での名人奪還へと疾走した挑戦者だったが、届かなかった。

 長い王朝を築き、国内ではあらゆることを成し遂げた第一人者は今、何を求めて戦い続けているのか。敗退からわずか2時間後の同日深夜10時、勝負の熱が残る現場で話を聞いた。

2度口にした「正直…」

 開幕3連敗という最も厳しい状況に追い込まれて考えたのは、今までの自分は「3連敗4連勝」をやってない、ということでした。だから、せっかくなら苦境をモチベーションに変えようと。第4、5局は良いものを出せて勝てましたけど、七番勝負では結果を出せなかった。

 本局も1日目の午後以降は形勢の悪くない状態が続きました。でも、勝ちまで見通せないまま持ち時間を消費し、終盤で正しい選択をできなかったことが勝敗に直結した。実力です。

「ひどいパフォーマンス」と敗退を総身で受け止めた井山。敗れた第一人者は、2度「正直…」と率直な思いも語った。

 名人が強かったことを大前提…

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