まとめサイトや動画に、溶けるニュース 「ただ乗り、AIで拍車」
田渕紫織
ウェブメディアが生成AI(人工知能)を使って書いた記事が、他の報道機関の記事からの盗用だったとして取り消されたケースがありました。こうした「フリーライド(ただ乗り)」は、生成AIの浸透により、氷山の一角との指摘もあります。「シン・情報戦略」の著書があるJX通信社代表取締役の米重克洋さんに現状を聞きました。
瞬時にフリーライド
――ニュース記事へのフリーライドはどの程度広がっているのでしょうか。
事件などで容疑者や関係者の氏名が報道されるとすぐ、いわゆる「まとめサイト」が相次いで立ち上がります。配偶者や子どもがいるのか、勤務先や出身校はどこかなどをSNSで検索しているのでしょう。クリックしてみると、「調べたけど分かりませんでした」という結論になっているまとめ記事もよくあります。
事件発生などのニュースが最初に報道されて固有名詞が出て、それが世の中に広まるまでの間に、いかに最短でアップできるかの時間勝負です。その後テレビやネットニュースで取り上げられるたびに検索流入し、広告収入につながります。作成には生成AIが使われているのではないかと思って見ています。
――なぜ、生成AIが使われていると?
そうしたまとめ記事の多くは…