ミャンマー北東部で10月、三つの少数民族武装勢力が国軍への攻撃を強め、ミャンマーの独立系メディアによると、中国との国境ゲートや国軍の拠点を占拠した。武装勢力側は、2021年のクーデターで権力を握った国軍の「独裁を終わらせる」ための攻撃だと主張している。国境付近の中国側では、戦闘の影響で複数の学校が休校を余儀なくされる事態となった。
報道によると、攻撃を開始したのは、北東部シャン州が拠点のタアン民族解放軍(TNLA)、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)、西部ラカイン州拠点のアラカン軍(AA)。3勢力は国軍に抵抗する「兄弟同盟」を組む。
国軍拠点「60カ所以上占拠」と主張
3勢力は10月27日未明、「1027作戦」と称して中国・雲南省との国境に近い国軍の複数の拠点を同時多発的に攻撃し、国境ゲートのあるチンシュエホーを占拠した。3勢力は同日、連名で声明を出し「国軍の攻撃から国民の命と財産を守り、国軍の独裁を終わらせる」と宣言した。
さらに「中国との国境地帯で運営されるオンライン詐欺の撲滅」も目的に掲げている。中国では近年、ミャンマーを拠点に中国人を狙う詐欺グループによる犯罪が問題になってきた。
武装勢力は31日までに、中国国境の町であるムセや国軍の拠点60カ所以上を占拠したという。クーデター以降、国軍に抵抗を続ける民主派勢力の国民防衛隊(PDF)とも連携し、戦闘を続けている模様だ。国軍側も攻撃を受けたと認めているが、死者数などは明かしていない。
武力衝突には大勢の市民が巻…
- 【視点】
民主派の国民統一政府(National Unity Government: NUG)は、ミャンマー国軍からの離脱を促す試みを行ってきており、NUGによれば、今年2月までに治安部隊12,000人以上、兵士3,000人以上、警察9,000人以上
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