フィリピンに監視レーダー供与へ 首相訪問で日本のOSAを初適用

岸田政権

高橋杏璃
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 政府は、「同志国」の軍に防衛装備品などを無償で提供するために今年度に創設した「政府安全保障能力強化支援(OSA)」をフィリピンに初めて適用し、沿岸監視レーダーを供与する方針を固めた。岸田文雄首相が11月3日にフィリピンを訪問して同国のマルコス大統領と会談し、合意する。政府関係者への取材でわかった。

 政府は昨年12月に改定した国家安全保障戦略に基づき、外交目的などを共有する同志国の安全保障能力や抑止力の向上を後押しする新たな枠組みとしてOSAを導入した。今年度はフィリピンのほか、マレーシアバングラデシュ、フィジーを対象国としている。

 東シナ海南シナ海で海洋進出を強める中国の存在を背景に、日本はフィリピンとの連携を深めている。今回の首脳会談では、自衛隊とフィリピン軍が共同訓練する際の入国手続きなどを簡略化する「円滑化協定」の締結に向けた協議入りでも一致する見通しだ。(高橋杏璃)

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