柿沢法務副大臣が辞任 江東区長選の有料ネット広告巡り「深く反省」

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 自民党衆院議員の柿沢未途(みと)・法務副大臣(52)は31日、副大臣を辞任する意向を固め、辞表を提出した。政府は持ち回り閣議で辞任を承認した。柿沢氏は、地元の東京都江東区長選をめぐり、木村弥生区長(58)の陣営が違法な有料ネット広告を流したとされる事件で、自らが広告の利用を勧めたと朝日新聞の取材に証言していた。

 朝日新聞が31日に柿沢氏の証言を報道したことを受け、松野博一官房長官小泉龍司法相に対応を指示。柿沢氏は小泉氏に「違法という認識はなかったが、深く反省している」と答えたという。

「ユーチューブ広告、私が勧めた」

 今年4月の江東区長選をめぐっては、木村氏の陣営が、選挙期間中に投票を呼びかける有料のネット広告を流していたことが発覚。東京地検特捜部が今月24日、公職選挙法違反容疑で区役所内の区長室や木村氏の自宅を家宅捜索するなどして捜査を進めている。木村氏は任意聴取も受け、同月26日に辞職を表明した。

 柿沢氏は今月、朝日新聞の取材に対し、木村氏の「陣営関係者」に「『ユーチューブ広告は効果があるからやった方がいい』と勧めた」などと明らかにした。「何がアウトかという知識がなかった」として、当時の違法性の認識は否定。選挙後の報道を受け、違法性に気づいたと説明した。

 動画広告の制作や掲載への具体的な関与や、費用の負担なども否定する一方、ネット広告が掲載されたことは陣営側から報告を受けていたと証言した。ネット広告は「私が勧めなければ、やらなかっただろう」とも述べていた。

 柿沢氏は2009年の衆院選みんなの党から立候補し、初当選した。その後も野党系議員として活動してきたが、前回21年の衆院選後に自民党から追加公認された。現在5期目で、今年9月に法務副大臣に就任した。

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    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター長代理)
    2023年10月31日15時24分 投稿
    【視点】

    岸田政権では昨年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点が様々に明らかになった山際大志郎経済再生相、死刑執行を軽口に使った葉梨康弘法相、政治資金や選挙活動をめぐる問題のあった寺田稔総務相、政治資金問題などが指摘された秋葉賢也復興相が相次

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2023年10月31日16時16分 投稿
    【視点】

    副大臣は閣僚と同じく国会答弁にも立ちます。国会開会中で野党などの追及に耐えられないと判断した場合、早期に辞任を決断するということはよくあります。とりわけ岸田政権は国会閉会中に大きく内閣支持率を落としており、国会開会中はさらに苦境が深まってい

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