牛肉は使えず、デザートはあきらめ 物価高のしわ寄せに苦しむ給食
江戸川夏樹
9月下旬、宮城県富谷市内の小中学校に向け、1日約6千食の給食を作る学校給食センター。栄養教諭の佐藤勝子さん(52)はその日、10月分の給食の見積もりをつくっていた。
猛暑の影響などで、野菜類の値段が上がっている。
「ネギもダメなの?」
佐藤さんは思わず叫んだ。農林水産省の食品価格動向調査によると、ネギの価格は例年の1・5倍に上昇。業者が入札で示した価格はさらに高かった。
「(値段が上がっている)ネギやニンジンは給食でよく使う野菜。ニンジンはビタミンAや彩りを考えると減らせない」。ネギを諦めることも覚悟した。
様々な業者のパンフレットを見比べ、緊急処置として1カ月だけ、市外にあるネギ専門工場からカットネギを買うことに決めた。
「これまで使っていたのは生ネギ。今は加工されたネギの方が安い」
だが、そんな矢先、別の問題が起きる。
物価の急騰で、公立小中学校の給食を作る栄養士が悲鳴を上げています。SNSでは、「給食が貧相になった」という声も。給食を作る現場で何が起きているのか、取材しました。
相次ぐ廃業の連絡 どこから納入すれば
給食でよく使う野菜の工場が…