卒業生の子の優遇、廃止か維持か 米の大学入試、最高裁判決で波紋

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ニューヨーク=中井大助 ニューヨーク=中井大助
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 米国の大学入学者選抜で、卒業生の子どもらを優遇する措置が問われている。以前から問題視されていたが、米連邦最高裁が6月に「人種を理由とした優遇は違憲」と判断したこともあり、いっそう波紋が広がっている。(ニューヨーク=中井大助

 「卒業生の子どもの優遇廃止は、白人以外の志願者に公平なチャンスを与えるために不可欠だ」

 ハーバード大の入学者選抜について7月上旬、米教育省に調査を申し立てた弁護士グループの一員、マイケル・キッピンスさんは話す。

 米国で、卒業生の子どもは「ある人が後世に残した功績」を意味する「レガシー」と呼ばれる。多くの有名大学では歴史的に白人の割合が多く、レガシーの優遇は白人にとって有利となると指摘されている。

 申し立てによると、ハーバード大では、卒業生の子どもであることや、大学に多額の寄付をしたことを理由に優遇された志願者の約7割が白人だった。このため、白人以外の志願者が不利益な扱いを受けていると主張。人種差別などを禁じた公民権法に抵触し、連邦政府が同大に補助金を出す条件として、こうした優遇の撤廃を要求することなどを求めている。教育省も7月24日、調査に着手したと返答した。

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