「死から逃れたくて」12歳は家族とガザ南部へ そこに激しい空爆が

有料記事イスラエル・パレスチナ問題

エルサレム=高久潤
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 夜が怖い。

 電気は1日1時間ほどしか使えず、日が沈むと全てが暗闇に溶ける。

 イスラエル軍が近くの建物を空爆すると、閃光(せんこう)に照らされて周囲の人々の顔が見える。

 その目は一様に、恐怖で見開かれている。死を直感させられるような、嫌な明るさだ。

 「死ぬかもしれない怖さから逃れるためにここに来たのに」

 パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファにある、国連が運営する避難所。ムハンマド・アブアティワさん(12)は26日、朝日新聞スタッフの取材にそうこぼした。

 中部ザハラから家族と一緒に避難してきた。ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの奇襲攻撃を受けたイスラエル軍が7日、ハマスの壊滅を目的にガザ北部への空爆を開始。ガザの北半分に住む約110万人に対し、南に退避するよう通告したからだ。

 住み慣れた自宅を離れるのは、簡単なことではなかった。退避要請に従わなかった人もいる。

 それでもアブアティワさん一家が逃げると決めたのには理由がある。

 2014年、イスラエル軍が…

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