汚染廃棄物、中間貯蔵区域からも持ち出し メルカリ出品のうわさも
酒本友紀子 山本孝興 滝口信之
東京電力福島第一原発事故に伴う福島県大熊町の中間貯蔵施設区域で、ホームセンターの解体現場から商品の自転車が無断で持ち出されたり、設備の配管が盗まれたりする事案が相次いでいたことがわかった。管理が厳しい同区域でも、放射性物質に汚染された可能性がある物品が持ち出される事態に、現場からは「監視に限界がある」との声が上がる。(酒本友紀子、山本孝興)
ホームセンターは、第一原発から約3キロに位置し、原発事故後、建物や商品は残されたままだった。解体工事は準大手ゼネコンの西松建設が契約した(工期は昨年9月~2025年3月)。
放射性物質を含む特定廃棄物の処理の方法は、放射性物質汚染対処特別措置法などで定められている。健康被害などを防ぐため、区域内の保管場へ運んで放射線量を測った上で、処分先を決める仕組みになっている。
自転車2台が区域外に
だが、環境省などによると今年4月下旬、同省の情報提供窓口に「区域内の廃棄物の自転車が近くで販売されていた」との通報が寄せられた。
同社が調査したところ、現場…