鉄の味か血の味か 日本一まずい?と評判 伊香保温泉を飲んでみると
草津や伊香保など、100カ所近くの温泉地がある温泉大国・群馬県。ここでは温泉に入るだけでなく、温泉を飲むことも楽しみの一つだ。県内に点在している飲泉所のうち、「日本一まずい」と話題の伊香保温泉(渋川市伊香保町)を訪ねた。
前橋市の中心街から車で約40分走ると、石段街でおなじみの伊香保温泉が見えてきた。365段の石段をのぼり、最上部にある伊香保神社から歩いて5分。木々に囲まれた細い道に、「飲泉所」の看板を掲げた木造の小さな建物がひっそりとある。
観光客と思われる2人が、注ぎ口から勢いよく出てくる温泉を備え付けのコップで飲んでいた。見た目は無色透明だが、触ると温かい。注ぎ口や排水溝は、湯の花で赤茶色に染まっている。石段をのぼり疲れ、ちょうどのどが渇いてきたところ。人生で初めて温泉を飲んでみた。
想像していたよりも強い「温泉」の味がした。例えるなら、口の中を切った時の血の味だ。のどが渇いていたとはいえ、一口だけしか飲めず、隣の注ぎ口から出ていた水道水で口直しをした。SNSで「日本一まずい」と評判なだけあるなと感じた。手は小銭を握った後のような鉄っぽいにおいになり、しばらくはこのにおいが取れなかった。
「おいしくない」「苦手」 でも笑顔
成分分析表には、弱酸性の単純温泉で温度は34・2度とあった。鉄のほか、カルシウムやマグネシウムなどが豊富に含まれている。胃痛に効くらしい。
注意書きには「一回の量は一般に100ないし200ミリリットル程度」「1日の量はおおむね200ないしは1千ミリリットルまで」と書かれていた。この味でそんなに飲める人がいるのかと半信半疑になりつつ、やっぱり飲み過ぎはよくないのだなとも思った。
平日の夕方、約1時間で温泉…
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- 【視点】
こんなに笑いながら読んだ記事は久しぶり。 書いたのは、前橋総局で目の前に座っている若手の記者。 「まずい」と評判らしい伊香保温泉の水。どうまずいのか、飲んで確かめてみたところ、「血の味」なのだという。それは飲みたくない。 げっ、とはき出し
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