イスラエルの子を守るために、ガザの子を殺すな NYTコラム
ニコラス・クリストフ
中東の危機は、特効薬のない異様な挑発にどう対応するかという、我々の人間性が試される難しい試練だ。そしてこの試練に、西側にいる私たちはうまく対応できていない。
イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への大規模な空爆や、間もなく始まるであろう地上侵攻は、イスラム組織ハマスとその数々のテロ行為に関連づけられたパレスチナの子どもたちが、犠牲になってもたいしたことのない存在だとみなされていることを示している。ガザ保健省によれば、ガザではわずか2週間で1500人以上の子どもたちが殺され、住宅の約3分の1が破壊されたり損壊したりしている。しかもこれは、さらなる流血が予想される地上侵攻を前にした、地ならしにすぎないのだ。
私は、太陽の光が降り注ぐ美しいイスラエルのテルアビブに飛んだ。そこには「ハマスを壊滅しろ」という落書きがあった。イスラエル国民は、ハマスのテロと拉致によって打ちのめされている。自らの存在の危機を感じさせる攻撃に遭い、どんな代償を払ってもハマスを打ち砕こうとイスラエルは固く決意している。テルアビブは落ち着いているように見えるが、街を覆う不安感は明白だ。一方、ガザは地獄の中にあり、おそらくもっと悪い状況へと進んでいる。
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イスラエル・パレスチナ問題
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