外交努力と冷静な議論、日韓「和解」の基盤に 「帝国の慰安婦」訴訟
箱田哲也
著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦らの名誉を傷つけたかどうか問われた刑事裁判で韓国の大法院(最高裁)は26日、著者の朴裕河(パクユハ)・世宗大名誉教授を有罪とした控訴審判決を破棄し、高裁に差し戻した。大法院は「無罪の趣旨」による破棄・差し戻しだとしている。
「帝国の慰安婦」をめぐる訴訟は、韓国の自由をめぐる争いだった。
一つは研究の成果としての著述に対し、公権力が学問や言論の自由を封じてよいのかという、民主主義に関わる懸念である。
さらに、韓国社会に強烈な「…
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- 【視点】
まず朴裕河氏にとって良かった――大変な人生を送ることを余儀なくされていた。加えて韓国社会にとっても良かったと思う。もともと司法が裁くべき問題領域でないものを裁き、学問の自由を脅かした過去を是正したからだ。しかし、後味は悪い。 自由が問わ
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