石川・七尾港にロシア旅客船、侵攻後初 市などに事前の情報共有なく

土井良典
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 ロシア船籍の旅客船が23、24の両日、石川県七尾市の七尾港に入港し、ロシア人2人が入国、同6人が出国した。港を管理する石川県七尾港湾事務所によると、ロシア船の入港は貨物船では毎月あるが、旅客船に限ると、2022年2月のウクライナ侵攻後では初めて。侵攻以前について、事務所は「わからないが、頻繁にはない」と説明している。

 外務省ロシア課によると、侵攻を受けてのロシアへの制裁措置に、船舶の関連は含まれていない。出入国については政府関係者の入国を禁止しているが、一般の旅行客は対象外だという。

 入港したのは、船名プレイオナで、総トン数は944トン。運航主や定員は現時点で確認できていないという。23日午後、岸壁には接岸せず、海上で小舟に乗り換えた2人が入国。24日の午前10時から午後4時までは接岸し、6人が出国審査を終え乗船し、出港した。

 事務所によると、先週末に入港の連絡があり、保安上、寄港を拒否する理由が特になかったため、船の係留を認めた。何人が乗船するかなどの詳細な情報はなかったという。

 市や県警に情報共有はしなかったが、国土交通省には連絡。一方、外務省は「こちらには相談がなかった」とする。事務所は「なぜこのタイミングで七尾に寄港したのかは承知していない」とし、「各所との連絡体制のあり方については今後検討する」とした。(土井良典)

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