日本のGDP「世界4位に転落」IMF予測、55年ぶりドイツ下回る

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ワシントン=榊原謙

 日本が2023年の名目国内総生産(GDP)でドイツに抜かれ、世界3位から4位に転落するとの見通しを、国際通貨基金(IMF)が示した。最近の円安や、ドイツのインフレ率の高さが影響したが、実質的な経済成長率の差が長年積み重なった結果でもある。

 名目GDPは、各国が生み出した付加価値の総額。経済規模を表すが、物価変動の影響も受ける。ドル換算で比べると世界1位は米国、2位が中国だ。

 IMFは今月公表した「世界経済見通し」で、日本の23年の名目GDPを前年比0・2%減の4兆2308億ドル(約630兆円)、ドイツは同8・4%増の4兆4298億ドル(約660兆円)と予測した。

 日本は1968年に当時の西ドイツを抜いて、世界2位の経済大国になった。だが、2010年に中国に抜かれ、半世紀を経て再びドイツに逆転される見通しとなった。

 要因の一つが円安だ。昨年初…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2023年10月25日10時24分 投稿
    【視点】

    昨年から予測されたことであり、一つの指標にすぎないが、国民や政治家や官僚の心理にどう影響するかは気になる。おかしな方向の誘い水になりませんように。

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    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2023年10月25日6時22分 投稿
    【視点】

    中国のGDPが日本を抜いて世界2位になる10年前、北京特派員として予定稿をずいぶん考えて準備したことを思い出しました。経済にとどまらない歴史的意味づけが、私に限らず多くの人の胸にあったように思います。ただ、GDPの規模について、そんなことを

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