Stand by Women代表・濱田真里さん寄稿
先月発足した第2次岸田文雄再改造内閣の報道は、まるでジェットコースターのようでした。
女性閣僚が2人から5人に増え、各種メディアが「女性閣僚が過去最多と並んだ」と取り上げて期待が高まるなか、2日後に出てきたのは「副大臣26人と政務官28人、計54人全てが男性議員」というニュース。黒いスーツ姿の男性がずらりと並ぶ写真のインパクトはとても大きく、まるで日本の政治の世界を象徴しているようでした。
朝日新聞社の調べによると、2001年に副大臣・政務官が導入されてから「女性ゼロ」は初めてだと言います。これがもし逆で、54人全員が女性議員でも違和感を覚えないのでしょうか。それでも「適材適所」だと言えるでしょうか。
総務省の「人口推計」(2023年8月1日時点)によると、日本の総人口は1億2454万人で、そのうち51%である6397万人は女性です。有権者の約半分が女性であるにもかかわらず、国のルール作りに携わるのは男性ばかり。社会には様々なバックグラウンドを持つ人たちが生きていますが、政治という分野において、その多様性が反映されているとは到底言い難いと思います。
ちなみに、世界経済フォーラムが男女格差の現状を数値化した「世界男女格差報告書」の2023年版では、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位で過去最低になりました。分野別に見ると、政治分野は138位という低さです。しかし、来年度はこの順位が上がるかもしれません。なぜなら、政治分野の三つの指標軸のひとつが「閣僚の男女比」だからです。
もし、今回閣僚に女性が増えたことでジェンダーギャップ指数が上がったとしても、一方で副大臣と政務官では女性がゼロだったという状況を踏まえると、手放しで喜べないと思います。
ハラスメント問題に光
それにしてもなぜ、こんなにも女性議員は少ないのでしょうか。
これに関しては、すでに様々…
- 【視点】
副大臣・政務官に1人も女性がいないことがニュースになったが、それは内閣の見識の問題であるのと同時に、数の問題でもある。ベースとなる女性議員がまだまだ少ないのだ。 それは性差別的な思い込みはもちろん、複合的な原因によるのだと容易に推察され
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