「殴らないと報酬なし」スピーカーで指示か 「ルフィ」ら3人再逮捕

増山祐史 遠藤美波 長妻昭明

 全国で相次いだ強盗事件のうち、昨年12月に東京都中野区で起きた事件を指示したとして、警視庁は、フィリピン拠点の特殊詐欺グループトップの渡辺優樹容疑者(39)=強盗致死罪などで起訴=ら3人を強盗傷害と住居侵入の両容疑で24日に逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。

 一連の強盗で、同グループ幹部が指示役として逮捕されたのは6件目。

 他に再逮捕されたのは「ルフィ」などと名乗った今村磨人(きよと、39)=同=、藤田聖也(としや、39)=同=の両容疑者。捜査1課によると、3人は実行役ら8人と共謀して2022年12月5日午前10時50分ごろ、中野区上高田3丁目の3階建て住宅に宅配業者を装って押し入り、住人の40代男性を殴って約2週間のけがをさせ、現金約3200万円を奪った疑いがある。渡辺容疑者らはフィリピンからスマートフォンなどで指示したという。

 事件では実行役として永田陸人被告(22)ら男8人が起訴された。永田被告が使っていたスマホの秘匿性の高い通信アプリには事件前、「キム」と名乗る人物から音声で連絡があったという。

 事件前に実行役らが車に乗った際、永田被告のスマホをスピーカーモードで車内に聞こえる状態にさせ、「殴ってないとか何もしていないと報酬はない。女性や子どもは叫ぶ前に口を押さえてください」などと指示していたという。実行役のうち少なくとも4人には、約束された報酬は支払われなかったという。

 永田被告は東京都狛江市や広島市で起きた強盗でも、「ミツハシ」「キム」と名乗る人物から指示を受けたという。警視庁はミツハシは今村容疑者、キムは渡辺容疑者らとみている。(増山祐史、遠藤美波、長妻昭明)…

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