「社員みな萎縮」動揺する中国の日系企業 非鉄商社の中国人社員拘束
北京=西山明宏
日本の非鉄専門商社の中国法人で働く中国人社員が、3月に中国政府に拘束されていたことが22日わかった。中国では外国人がスパイ容疑などで拘束される案件が続き、現地の日系企業に動揺が広がっている。中国政府は経済の「対外開放」を進めるとするが、矛盾するような事態となっており、外資企業からの投資が冷え込む可能性もある。
日中関係筋によると、拘束された社員はレアメタル(希少金属)などを担当していた。その取引先である中国企業の社員も拘束されたとみられる。レアメタルをめぐり、外資企業への情報流出を疑われた可能性があるという。
レアメタルは中国では戦略物資と位置づけられている。電気自動車(EV)などに使われ、採掘や加工技術で中国は世界的にシェアが大きい。各国が中国の供給網に頼らざるを得ず、米国などに外交的な圧力をかける道具になっている。
中国政府はレアメタルのうち半導体の材料になるガリウムなどの輸出を8月から許可制にするなど、管理を強めている。ビジネスの情報のやりとりでも、外資企業の動向に敏感になっている可能性がある。
「事態を全く知らなかった…