イスラエルとウクライナ同時支援「矛盾」 米国務省幹部、抗議の辞職

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 バイデン米大統領は19日の演説で、イスラエルウクライナへの同時支援について国民に理解を求めた。両国を、「絶滅」の意図を持つ敵に攻め込まれた民主主義国家として並列し、米議会や世論を説得する狙いだ。ウクライナ侵攻では比較的得やすかった道義的な優位を失いつつある、米国の苦境も映し出している。

 「米国はまだ、世界を照らす光だ」。演説の終盤、バイデン氏はそう訴えかけた。米国は自由と独立、民族自決の擁護者であり、テロリストや独裁者に虐げられた罪のない人々がその助けを必要としている――。「米国にできないことは何もない」と鼓舞した。

 ただ、この認識が共有されているとは言いがたい。

米国内に広がる「支援疲れ」

 米国内では、バイデン政権に…

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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2023年10月21日14時48分 投稿
    【視点】

    バイデン大統領による国民向け演説は、15分ほどの長さで、雄弁にアメリカがなぜイスラエルとウクライナ(およびインド太平洋)に軍事的支援・関与をすべきなのか説明しています。今の政権の考え方だけでなく、「アメリカ的」な世界観をよく示しています。そ

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    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2023年10月22日13時31分 投稿
    【視点】

    保守派の共和党は現実主義者とよく名乗る。しかし、彼らの政策とレトリックを見ると、かなり夢見がちな思想が窺える。「規制を廃止すると企業は自発的に環境を守るでしょ!」「資産を再分配しなくても自由市場の『見えざる手』がみんなをハッピーにする!」「

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