第4回「家族」重視唱え教団と関わる矛盾 自民、20年の右派主導に総括を
文部科学省が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を東京地裁に請求した。長年にわたり教団と関わりを持ってきた自民党にどのような影響があるのか。中央大学の中北浩爾教授(現代日本政治論)に聞いた。
――解散命令請求をどう評価していますか。
半世紀近く霊感商法の問題が指摘されてきたし、社会的な批判を浴びてもなお続いた。教団に自浄作用がないとみなされてもしかたがない。解散命令請求は当然だ。
――教団の問題は長年、見過ごされてきました。
教団自体の問題や、メディアの沈黙もあるが、やはり政治の不作為と言わざるをえない。自民党の一部の議員は教団と密接な関係にあった。社会問題としてあれだけ騒がれたのに、自民党の議員が知らなかったはずはない。信教の自由から宗教団体に手を出すことには慎重であるべきだが、教団の問題をあえて見逃してきた面もあるだろう。
――改めて、自民党と教団はどのような関係にあったのでしょうか。
米ソ冷戦下では反共産主義という点で、教団と自民党とは利害が重なっていた。冷戦の終結後、いったん距離ができたが、再び大きく接近したのは2009年の自民党の野党転落の時だろう。
当時、自民党から多くの支持団体が離れた。多数の現職議員が落選し、組織が弱っているところに教団関係者が近づいた。自民党は民主党と差異化するために、憲法改正草案を出すなど右寄りにかじを切り、政策的にも教団と近くなった。そうした関係が安倍晋三政権に引き継がれた。
自民議員が関係を絶てない理由
――自民党にとって教団はどん…
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