不登校への支援「情報ない」途方に暮れた母 学校に求められる役割は
不登校の児童生徒が急増している。文部科学省の調査では、2022年度に不登校だった小中学生は前年度比22%増の29万9千人と、6年連続で過去最多を更新。専門機関などの支援を受けていない子も増えており、支援体制の拡充が課題になっている。
福岡県の公立中1年の男子生徒(12)は、小5だった昨年1月、「おなかが痛い」と言って学校を休んだ。何日もおなかを下し続け、病院で原因不明の過敏性腸症候群と診断された。それ以降、学校に行けなくなった。
「まさか我が子が」。会社員の母親(40)は動揺し、担任教員に相談したが、専門機関につなぐなどの対応はなかった。小6になってようやくスクールカウンセラー(SC)への相談を勧められたが、学校に常駐しているわけではなく、相談は月1回のみ。ネットや自治体の広報誌などから情報を集めた末、学習指導を受けることができて日中の居場所にもなる市の教育支援センターにたどりついた。学校からは、校外の支援先の情報はもらえなかったという。
しばらく通わせたものの、この支援センターは「学校に戻るのが前提」という方針。ある日、支援員から「いつまでも通わず学校に戻るように」と言われ、中学に入ると通えなくなった。男子生徒は今、自宅でゲームをして過ごす日々だ。母は言う。「親としては、子どもがどこにも所属していない『無所属』が一番つらい。不安です」
「もっと早く知っていれば…」
男子生徒には小4の弟(10…