七番勝負の鬼・井山裕太王座、崖っぷちで力ずくの1勝 黒星の名人は

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大出公二 北野新太 照井琢見
【対局中継】芝野虎丸名人ー井山裕太王座 4連勝の防衛か、反撃の1勝か【第48期囲碁名人戦第4局2日目】

 開幕3連敗。いきなり崖っぷちに立たされた「七番勝負の鬼」が本領を発揮した。第48期囲碁名人戦七番勝負(主催・朝日新聞社、協賛・株式会社 明治)第4局の総手数は92手。名人戦歴代2位となる超短手数で、カド番の挑戦者が一つ返した。

寄り切り、完勝の挑戦者

 芝野虎丸名人(23)と挑戦者の井山裕太王座(34)の碁はまるで違う。先を急がずじっくり構え、戦機をうかがう名人に対し、挑戦者は先に仕掛けて局面を動かし、力ずくで優位をつかみにいく。これまでの3局は名人のカウンターをくらった挑戦者だが、本局は一瀉(いっしゃ)千里の電車道で寄り切った。

写真・図版

 図1 名人の黒1に白2のぶっつけが機略の一手。「ツケにはハネよ」の格言どおり名人は黒3とハネたが、白4のキリチガイが虚を突いた。検討陣は白Aに引き、黒4のツギと換わる平和路線を想定していた。しかし挑戦者の作戦はそんな生やさしいものではなかった。

佐田篤史七段(ユーチューブ解説)のインタビューも後半に。芝野名人が珍しく見せた「熱いもの」について語ります。

 黒白双方の石が卍(まんじ)…

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