一瞬でも震災から解き放つ 3・11「その時そして」ブルズ(上)
松尾葉奈
さらなる高みを目指し、今月14日、盛岡市の盛岡タカヤアリーナで、今シーズンの本拠初戦に臨む。
今年5月、6季ぶりにB2への復帰が決まった、岩手県初のプロバスケットボールチーム「岩手ビッグブルズ」。
チームは、2010年12月に創設された。翌11年3月8日に発表されたチーム名は、雄大な岩手の県土と牛の産地であることに由来し、公募で決まった。
その3日後の3月11日、東日本大震災が発生した。経営陣やチーム内には、そんなときにバスケをしていいのか、ためらいがあったというが、選手や社員の気持ちは同じだった。
「バスケを通じて岩手を元気にしたい」。11年10月にbjリーグ(当時)に参入後、「復興のシンボル」として12年間、チームは岩手とともに歩んできた。
つらさ消えないが、一瞬忘れて
「ミスタービッグブルズ」と呼ばれた男がいる。
同県奥州市出身の千葉慎也さ…