ひとりぼっちのアリ、すぐに死ぬのはなぜ? 解析で見えた原因物質は

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藤波優
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 普段、集団で生活しているアリを、ひとりぼっちの環境におくと寿命が短くなってしまう。孤立したアリに何が起きているのか。

 産業技術総合研究所などの研究チームは、1匹だけでケースにいれた「孤立アリ」と、10匹をケースにいれた「グループアリ」にわけ、アリに2次元バーコードを背負わせて、行動を観察した。

 グループアリは、1時間ほどたつとほとんどが巣の中に入り、数匹が外で見張るというアリの習性通りの行動をしていたが、孤立アリは、壁際をウロウロする時間が長く、巣に入ってもすぐに出てきてしまうなど「異常」な行動をとっていた。

 さらに、グループアリは、観察を終えた50日がたっても、8割近くが生きていたのに対し、孤立アリの半数が25日ほどで死んでしまった。

 なぜ異常な行動をとり、寿命が短くなってしまうのか。

 研究チームは実験開始から2…

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    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2023年10月11日14時0分 投稿
    【視点】

    社会的に孤立するとアリでもラットでも活性酸素が増えるというのは面白い。このような生化学的なメカニズムは系統を越えて共通している可能性もあり、ヒトでもストレスが増えると活性酸素が増加する。アリでの結果を人に直接適用するのは慎重でなければならな

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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2023年10月11日14時0分 投稿
    【視点】

    この記事を読んで、「人間の幸福度」をデータで可視化する研究をされている、日立製作所のフェローで、同社が出資して設立したベンチャー企業「ハピネスプラネット」の代表取締役CEO:矢野和男さんに伺ったお話を思い出しました。 矢野さんの研究では、

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