第5回電気来ず、ペダルこいで給油 復興支えたガソリンスタンドの跡地は今

有料記事レンズの記憶

福留庸友
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 総延長2・4キロにも及ぶ高さ10メートルの防潮堤は「万里の長城」と呼ばれていた。だが、あの日襲った黒い波は高さ17メートル超。岩手県宮古市の田老地区がのみ込まれた。181人が犠牲となり、中心部をがれきが埋めた。佐々木公輝さんが営んでいたガソリンスタンドも、そこにあった。

 元従業員や地域住民によると、佐々木さんは数日後には、地下タンクに残った燃料で消防や工事などの緊急車両に給油を始めた。電気はなかなか復旧せず、5月の大型連休明けまで自転車のようにペダルをこいで給油するポンプを使った。佐々木さんは自宅も妻も失っていた。

復興事業の終わりとともに

 4~5年たって、佐々木さん…

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