「なぜ大阪維新の会はこんなに選挙に強いのか」身を切る改革の内実は

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聞き手・田中聡子
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 「身を切る改革」は、今は「維新の会」の看板政策として掲げられています。何を切り、切った結果どのような影響が出ているのか。財政学者の吉弘憲介さんは、地域政党大阪維新の会のおひざもとである大阪市の財政運営を分析し、その内実を明らかにしようと試みています。話を聞きました。

     ◇

ターゲットにされた「既得権益

 「なぜ大阪維新の会はこんなに選挙に強いのか」「有権者は何を見て判断しているのか」。維新が掲げる「身を切る改革」の内実を探ろうと、大阪市の財政運営を分析しました。

 維新は公務員組織、外郭団体などを「既得権益」としてターゲットにし、「身を切る」対象として削っていきました。例えば市の人件費は、橋下徹氏が市長になった2011年以降急激に低下しています。かつて100以上あった準公務員的な外郭団体の数も、今は15団体です。行政サービスなどの外部委託先は、営利企業の割合が10年度の38・0%から、17年度には50・9%に伸びました。「官から民へ」が具現化されています。

中間層のニーズに合致

 では、削った分の配り方はど…

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    中島隆
    (朝日新聞編集委員=中小企業の応援団長)
    2023年10月17日8時41分 投稿
    【視点】

    先月あった東大阪市議選。ここで、大阪維新は、「身を切る改革」の自作自演をしました。もうすぐ市議選というタイミングで、いきなり議員定数の削減を打ち出し、他会派が反対すると、「身を切る改革をすすめるのは維新だけ」とやったのです。市民の参政権にか

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