重要湿地の保全求める意見書 リニア残土計画めぐり保全団体が提出

保坂知晃
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 岐阜県御嵩町にある国選定の重要湿地に、リニア中央新幹線のトンネル工事に伴う残土を処分する計画を巡り、NPO法人「ラムサール・ネットワーク日本」(東京都)は6日、残土の受け入れを拒否し、重要湿地の保全を求める意見書を県と町に提出した。

 町内の重要湿地は「美佐野ハナノキ湿地群」。絶滅危惧Ⅱ類のハナノキなど湿地性の希少植物が集中的に分布している。環境省が2016年に選定した。

 意見書は「東海地方に点在していた湿地は農耕地への転用や開発行為で失われており、町内の重要湿地は現在も残された貴重な湿地だ」と指摘。「埋め立ては湿地群を直接消滅させる行為で、湿地の保全をうたったラムサール条約の締結国である日本が行うべきではない」としている。

 保全を求める文書の提出は、日本生態学会の自然保護専門委員会、日本野鳥の会に続き3団体目。

 計画を巡っては、7月に就任した御嵩町の渡辺幸伸町長は町民らによる審議会を設置し、受け入れの是非を検討する方針。前町長は受け入れを前提に専門家を交えたフォーラムを開いてきたが、渡辺町長は「フォーラムとは切り離し、審議会は白紙から始めてもらう」としている。

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