深海底にマイクロプラスチックが大量蓄積 「しんかい6500」調査

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編集委員・佐々木英輔
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 千葉県房総半島沖500キロの深海底に大量のマイクロプラスチックがたまっていることが、海洋研究開発機構などの研究グループによる調査で明らかになった。堆積(たいせき)物1グラムあたり平均で600個ほどと、海外のこれまでの研究と比べても飛び抜けて多いという。

 付近では、ポリ袋などのプラスチックごみも大量に見つかっている。研究グループは黒潮に乗って運ばれてきた微粒子が沈んで集積しやすい仕組みがあるとみている。

 マイクロプラスチックは一般に、5ミリ以下の微粒子を指す。プラごみ紫外線で劣化したり、砕けたりすることで生じ、海洋汚染や生物への影響が懸念されている。

 研究グループは2019年、有人潜水調査船「しんかい6500」や、より深くまで沈められる観測装置を使い、相模湾や房総半島沖の海溝、さらに沖に広がる「深海平原」の計7地点で、海底の堆積物を採取した。採取地点は相模湾で千メートル前後、海溝で9千メートル超、深海平原で6千メートル弱の深さがある。

 表層1センチの泥に含まれる微粒子を分析すると、特に深海平原でマイクロプラスチックが多かった。乾燥させた堆積物1グラムあたりで、平均600個ほど。相模湾や海溝の10倍以上だった。

 深海平原だけでなく、相模湾や海溝も、これまで調べられた深海底のなかで最も多かった地中海の地点を上回っていた。深海平原では、地中海の260倍のところもあった。

 もう一つ、新たに分かったの…

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