人口6千人の港町に原発作業員5千人 水産会社が「多角化」でホテル
宮城県の女川湾を望む場所に立つ「Swimmy Inn Onagawa(スイミー・イン・オナガワ)」。8月上旬、ホテル隣の駐車場は、他県ナンバーの車で埋まっていた。北は札幌から南は北九州まで、少なくとも全国20カ所以上で、その数は200台近くにのぼる。
朝6時半、5棟ある2階建ての宿泊棟から、作業着姿の男性たちが続々と出てくると、ホテル向かいの空き地に止まっていた大型バス4台に乗り込んでいく。
バスは連なるように出発し、すぐに脇道から何台もの大型バスが加わる。長くなった車列は、牡鹿(おしか)半島の曲がりくねった道を進み、女川原発のある山の向こうへと消えていった。
早ければ、来年5月にも再稼働される女川原発2号機。東北電力によると、その安全対策工事などのため構内では今年6月時点で、町の人口約6千人の8割強にあたる約5千人の原発作業員が働いているという。
そのうち、女川町や隣の石巻市に住民票を置いているのは約1500人。残りは、町内や近隣市町のホテルや民宿に長期滞在している人も多い。
さらに、安全対策工事が終わっても、1号機の廃炉作業や3号機の定期検査で、今後も多くの原発作業員が働き続ける見通しだ。
そんな動きに目をつけ、4月に開業したのがスイミーだ。
204室の居室、年明けまでほぼ満室
「今までは、目の前の海にし…