川内原発1、2号機 60年まで運転延長 40年超の原発が常態化

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福地慶太郎 矢田文
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 再来年までに運転開始40年を迎える運転中の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)について、原子力規制委員会は1日、60年までの運転延長を認めた。東京電力福島第一原発事故を機に原発の運転期間は「原則40年」とされたが、60年までの認可は5、6基目。40年超が常態化し、今後も増えるのは確実だ。

 九電は昨年10月、運転延長を申請した。審査では、超音波による検査や目視で原子炉容器などに問題は確認されず、今後も計画的に管理する方針を説明した。規制委は、点検などの方法は適切で、60年時点でも設備の機能は維持できると判断し、運転延長を認めた。

 事故後にできた規制基準をクリアし、運転開始から35年を超える原発は川内1、2号機を含め全国に4原発8基ある。再来年に運転40年を迎える関西電力高浜3、4号機は審査中。これまでに申請した原発が認可されなかった例はない。

 電力各社によると、原発1基の稼働で、火力発電の燃料費の削減などで年間500億~1200億円程度の収支改善効果があるという。政府は2月に閣議決定した方針で60年超の運転延長と新規原発建設を盛り込んだ。エネルギー問題に詳しい国際大の橘川武郎学長は「実際に進むのは運転延長」とみる。

 原発の新設は数千億円から1…

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