障害持つ生徒や保護者の同意を得ずに心理検査 北海道立高校が謝罪

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 札幌市内の北海道立高校が障害のある生徒に不適切な対応をしていた問題で、同校の男性教諭が本人や保護者の同意を得ないまま生徒に心理検査を実施し、職員間で結果を共有していたことがわかった。検査を行ったことはその後も生徒と保護者に通知せず、結果も知らせていなかった。10月30日に同校が保護者に事実関係を認め、「承諾を得るべきだった」と謝罪した。

 学校によると、公認心理師の資格を持つ特別支援教育担当の男性教諭は6月、知的障害や身体障害がある生徒に対し、本人や保護者の同意を得ず、心理検査の「ヴァインランド・ツー」を校内で実施し、結果を職員間の打ち合わせで共有した。

 検査は対象者の日常生活における行動を評価するもので、本来は検査者が対象者をよく知る保護者や介護者に面接形式で聞き取りを行い実施する。保護者は、事前に男性教諭から検査を提案されていたが回答を保留。その後、男性教諭は保護者らに聞き取りをしないまま無断で生徒に検査を実施し、結果も知らせなかった。

 学校によると、男性教諭は「大まかに傾向を把握し、本格的に検査する際に保護者に説明するつもりだった」と話しているという。同校の教頭は「生徒の支援の手立てを考える際の参考にするためだった」と検査の意図を説明する。

 男性教諭をめぐっては、同じ生徒について「血管性認知症」という虚偽の病状を資料に記載し、同僚職員らに説明。「医学的にも心理学的にもこの子はうちの学校では無理」などと退学を促すような発言をしていたことが、朝日新聞が学校関係者から入手した音声データなどで判明している。

 学校は男性教諭の発言についても認め、保護者に謝罪した。教頭は朝日新聞の取材に「障害のある生徒も受け入れて必要な配慮をしていく学校の方針と異なる発言で大変申し訳ない」としている。(上保晃平)

     ◇

〈おことわり〉当初配信した記事で、当該心理検査の説明に不正確な箇所がありました。記事を修正しました。

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    氏岡真弓
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2023年11月1日14時26分 投稿
    【視点】

    【続報を待ちたい】 記事を読んだだけの感想ですが、 この男性教諭の行為で、記事の前半部分、本人や保護者の同意を得ず検査を行い、共有したことよりさらに後半部分の方、 虚偽の病状を資料に書いて説明したり、「医学的にも心理学的にもこの子はうちの学

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