90年の歴史、神戸「ガリバートンネル」ついに見納めへ 6日で閉鎖

森直由
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 アニメ「ドラえもん」のひみつ道具「ガリバートンネル」に外観が似ていることから長年親しまれてきた、神戸・三宮の地下街と地上とを結ぶ「A14出入り口」(神戸市中央区)が、11月6日深夜に閉鎖されることが決まった。市への取材でわかった。最後に一目見ようと、多くの人が写真を撮りに訪ねている。

 市によると、出入り口はこれまで午前7時~午後11時に通ることができたが、11月6日午後10時45分ごろが最後になるという。

 閉鎖は、2029年度の開業を目指す「(仮称)JR三ノ宮新駅ビル」の工事スペースを確保するため。

 さらに「A14」付近には同年度までに歩行者デッキを建設する計画で、その橋脚を建てるため、いずれ撤去するという。

 「A14」に関する記録はほとんど残っていないが、市によると1933年にはあったとされ、神戸空襲(45年)や阪神・淡路大震災(95年)も乗り越えたとみられる。

 ドラえもんに登場する、出口を出ると体が小さくなるという「ガリバートンネル」に似た外観が特徴だ。

 今年5月下旬ごろに閉鎖の計画が明るみに出て以降、市には「なくさないでほしい」「いつまで見られますか」「残念だ」などの声が電話やメールで十数件寄せられているという。

 10月末にスマートフォンで撮影していた神戸市の会社員男性(43)は「再開発なので仕方ないが、長い歴史がある構造物がなくなるのは残念」と話していた。(森直由)

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