見城徹さん語る出版危機「紙の本は限界。コンテンツで稼ぐしかない」

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聞き手 シニアエディター・尾沢智史

 「この30年で最悪の状況」――数々のベストセラーを送り出してきた幻冬舎社長の見城徹さんはこう吐露します。紙の本が売れない時代に、出版社はどうやって生き残るべきなのか。率直な思いを語ってもらいました。

     ◇

 幻冬舎を創業して30年になりますが、今の出版の状況は最悪だと思います。

 4年前にコロナ禍が始まった頃から、人が書店に行かなくなった。あくまでも僕の体感ですが、ベストセラー本の売れ行きがこの4年で4分の1ぐらいに落ちた気がするんですよ。去年の年間ベストセラー第1位は、うちが出した和田秀樹さんの「80歳の壁」で、累計60万部です。この30年間、いろいろなベストセラーを出してきた僕の感覚から言えば、200万部売れてもおかしくない本なんですが、それが60万部しかいかない現実があるんです。

 映画やテレビドラマになって…

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