声に著作権は? AIに仕事取られる? 声優ら熱く議論

有料記事

小原篤

 アニメの作り手の待遇改善など制作環境の向上を目指し4月に業界有志で立ち上げた一般社団法人「日本アニメフィルム文化連盟」(NAFCA)が10月28日、東京都江戸川区で「NAFCA リアルオープンイベント 声優のこれまで そしてこれから」を開催した。羽佐間道夫さん、朴璐美さんら有名声優が、著作権に詳しい弁護士や音声合成開発者らと「声優のこれまでとこれから」「声優と生成AI」をテーマに熱い議論を交わした。

 羽佐間さんは90歳で現役の大ベテラン。映画「ロッキー」シリーズのシルベスター・スタローンの吹き替えや名作アニメ「赤毛のアン」のナレーションなどで知られ、最近ではネットフリックスのアニメ「PLUTO」で盲目の老作曲家ダンカンを演じた。

 日本俳優連合(日俳連)所属の声優らが1973年、デモ行進や放送局前での抗議行動、更に24時間の出演拒否(ストライキ)を行い、出演料の増額を勝ち取った。中心メンバーだった羽佐間さんは「役者はスターになりたいと思って業界に入ってくるから、横のつながりが生まれにくいけれど、団結は大きな力になる」と振り返った。

 「今の新人たちを見ていると、安いギャラでただ右から左へ大量の作品をこなしているようで可哀想。更なる待遇改善が必要です。それには力ある人が先頭に立たないと」

 これに対し「鋼の錬金術師」エド役などで人気の朴さんは「実際のところ、人気作を背負っている立場の声優は『政治色が着いちゃ困る』と製作側に言われ、なかなか声を上げにくいところがある。不安定な仕事なので、変えるよりも現状維持、という思いも分かる」としつつも、こう語った。

 「先輩方が闘って権利を勝ち…

この記事は有料記事です。残り1530文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません