仏政府、パリ五輪で自国選手のヒジャブ禁止 国連「女性差別」と批判

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パリ=宋光祐
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 フランス政府が来年のパリ五輪で自国の女性アスリートに対し、イスラム教徒の女性が髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用を禁止する方針を示したことが物議を醸している。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報道官は9月26日に女性差別に当たるとの考えを示し、仏政府に対して慎重な対応を求めた。

 フランスでは政教分離の原則を理由に、公立学校や公共の場、公務員を対象にヒジャブなど宗教的な帰属を示すシンボルや服装の着用を法律で禁じている。

 ウデアカステラ・スポーツ相は同月24日、仏公共放送のインタビューで「スポーツでも厳格な政教分離を徹底する」と表明。「あらゆる形の宗教的活動は禁止される。公共の場では絶対的な中立性が必要」と述べて、五輪に出場するフランス代表の女性選手によるヒジャブ着用の禁止を明言した。

 これに対して、OHCHRのウルタド報道官は26日、ジュネーブの国連欧州本部の定例会見で「女性が何を身につけるか、身につけないかを誰も押しつけるべきではない」と発言。服装のような宗教的信条による表現の制限は、公共の安全が懸念される場合など極めて特殊な状況でしか認められないと指摘した。

国際大会で、ヒジャブの女性活躍も

 さらにウルタド氏は、フラン…

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