富山の公園で展示されていたSL 大井川鉄道が取得・活用策を検討

林国広
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 蒸気機関車(SL)の動態保存に取り組んでいる大井川鉄道(本社・静岡県島田市)は、富山県内の公園に展示されていた「C11形」をJR西日本から無償で譲り受けた。今後、車体を詳しく調べ、活用法を決める方針だ。

 大井川鉄道によると、譲り受けたのは「C11形」の217号機で、全長12・7メートル、幅3メートル、重さ51・7トン。1941年に製造され、旧国鉄時代に名古屋市近郊や北陸地方で活躍した。69年に廃車となり、富山県高岡市の高岡古城公園で展示されていた。

 車体を分割し、島田市内の整備工場に搬入した。最終日の16日には車体の下部の車輪などが運びこまれた。クレーンを使って工場内の線路に設置され、すでに搬入されていたボイラー部分を上部に設置。SLの姿になった。

 現在、営業用SL4両を保有する大井川鉄道は、当初は修理に必要な部品調達のため、今回のSLを取得した。ただ、車体を検査して、単独で走行できる可能性についても検討する方針だ。

 担当者は「このSLに対し、高岡市民が持っていた愛情を受け継いで、何らかの形で活用していきたい」としている。(林国広)

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