囲碁の一力遼棋聖、アジア大会で4強 男子個人 楊鼎新九段を破る

大出公二
[PR]

 中国・杭州アジア大会第5日の27日、頭脳スポーツとして採用された囲碁の男子個人準々決勝が行われ、日本の一力遼棋聖(26)が中国の楊鼎新(ようていしん)九段(24)を破りベスト4に進出した。囲碁の世界メジャー棋戦では2017年の井山裕太王座(34)以来となる日本の決勝進出をかけ、28日の準決勝に臨む。

 オリンピックの競技種目ではない囲碁は日中韓と台湾が突出して強く、アジア大会が最高峰の大会となる。20世紀の最強国だった日本は今世紀に入り中韓に圧倒され、日本人選手の世界メジャー制覇は1997年の小林光一名誉名人(71)を最後に途絶えている。日本棋院は今大会を日本の復権をかけた最重要棋戦と位置づけている。

 一力は「序盤から難しい碁が続きました。先に時間を使わされて、形勢に自信を持てず打っていました。後半で優勢を意識して、なんとか勝ち切れました。最終日に残れて本当に良かったです。柯潔(かけつ)さんには予選リーグでやられているので、リベンジできるようにがんばりたい」と話した。

 一力の準決勝の相手は、この日の準々決勝で日本の芝野虎丸名人(23)を破った中国の柯潔九段(26)。

 ベスト8敗退となった芝野は「序盤から難しくしたので、中盤ではもっとがんばらなければいけなかった。あまりチャンスがない碁になり残念です。団体戦でリベンジできるようにがんばりたいです」と話した。

 28日は午前の準決勝に続き、午後に決勝が打たれる。29日~10月3日には男女の各団体戦がある。(大出公二)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません