巨大ITの影響力拡大、独禁法では限界? 公取委トップの考えは

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聞き手・明楽麻子 和気真也
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 公正取引委員会の古谷一之委員長は朝日新聞のインタビューで、民主主義の発展には質のよいコンテンツが必要と強調した。それには公正な競争環境の確保が欠かせない。古谷氏はメディア各社とプラットフォーム(PF)事業者に交渉を促した。主なやりとりは次の通り。

 ――PF事業者とメディア各社の取引実態を公表したのは異例でした。

 両者に改善を進めてもらう狙いがあった。2021年にデジタル広告の調査をした際、メディア各社とポータルサイトの関係について取引条件の明確化が望ましいと指摘したが、改善が進んでいなかった。新聞や放送などよりもネットを通じてニュースが読まれる割合が増えている中で、改めて、メディア各社とポータルサイトなどの関係を再評価することとした。

 ――報告書ではニュースコンテンツの適切な提供は民主主義の発展に不可欠と指摘しています。

 民主主義の基本は人々が、理性的に自己決定すること。しかし、ページビュー(PV)数に応じて広告収入が得られる「アテンション・エコノミー」の仕組みで、偏ったコンテンツやフェイクニュースの拡散が問題となっている。公正な競争環境の確保によって、質の良いコンテンツが適切に提供される必要がある。これまで新聞、雑誌、放送が担ってきたが、デジタルの媒体でも変わらない。

 ――記事の使用料が著しく低い状態が続いた場合はどうしますか。

 独占禁止法に違反するような…

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