首相が経済対策の取りまとめ指示 物価高や賃上げ、投資促進が柱

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 岸田文雄首相は26日の閣議で、総合経済対策を10月中にまとめるよう各閣僚に正式に指示した。喫緊の課題としていた物価高対策や持続的な賃上げ促進だけでなく、半導体などの国内投資や観光支援、農林水産品の輸出、防災・減災対応など多岐にわたる。財源の裏付けとなる補正予算の規模が膨らむのは避けられそうにない。

 首相は閣議で「経済の熱量を感じられる『適温経済』の新たなステージに移れるチャンスを逃すわけにはいかない」と発言。今後3年間を「変革期間」として集中的に取り組む意向を示した。

 経済対策では、物価高対策▽持続的賃上げと地方の成長▽国内投資促進▽人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革▽国民の安全・安心――の五つを柱にあげた。

 この中で例示した具体策は、単純に数えただけでも20項目以上におよぶ。今後、各省庁は与党と調整しながら対策の中身を詰めるが、要望できる項目が多い分、緊急性や必要性の乏しい事業まで含まれてしまう懸念はぬぐえない。与党からは早くも15兆~20兆円規模を求める声が出ている。

 鈴木俊一財務相は閣議後の会見で「財政規律が緩むことがないよう、真に必要な政策の積み上げの中でしっかりと査定をしていく」と述べた。

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