中国の習近平(シーチンピン)国家主席とシリアのアサド大統領が22日、中国浙江省杭州で会談し、両国の「戦略パートナーシップ」の樹立を宣言した。新華社通信が伝えた。アサド氏の中国訪問は、シリア内戦のきっかけとなった2011年の反政府デモが起きた後で初めて。中国から経済協力を取りつけるとともに、習氏との会談で自らの政権の「正統性」を国際社会にアピールする思惑がある。
両氏は23日の杭州アジア大会開幕にあわせて現地入りした。新華社によると、習氏は「シリアが他のアラブ諸国との関係を改善し、国際・地域の問題でより大きな役割を果たすことを支持する」と述べた。
シリアの国営通信によると、アサド氏は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」について支持を表明。国際社会での中国の役割を「建設的だ」とし、「中国への内政干渉や、南シナ海や東南アジアにおける緊張をつくり出すことを通じて、これを弱めようとする試みを拒絶する」と訴えた。また、今回の訪問については、「世界のバランスと安定を回復する多極的な世界が形成されている今日において、重要なものだ」とした。
中国側にはシリアなど中東諸国との結びつきを強め、国際社会での存在感を一層高めたい考えがある。中国は3月にサウジアラビアとイランの外交関係正常化を仲介したほか、イスラエルとパレスチナの和平交渉にも積極的に関与する姿勢を示している。
外国を訪れての首脳会談は珍しい
内戦勃発後、アサド氏が外国…